【新刊】看護生理学

著者:編者:桑名俊一(植草学園大学 保健医療学部 教授)
分野:看護学
ページ数:520
判型:B5
ISBN:978-4-8446-0966-7
定価:本体 5,200円 + 税
既刊『新版 生理学(メディカルスタッフ専門基礎科目シリーズ)』を基にしつつ、対象を看護学生に絞って編んだもの。高いレベルの生理学知識を平易にしかも系統的に記述するという方針はそのままで、看護実践者においても十分活用できる。
編者は、長年にわたり高校を卒業したばかりの看護学生に生理学を教えてきたが、生理学と専門の看護学の間に隔たりがあるため、生理学に対して興味を失う学生が少なからずいることを実感した。この隔たりをなくすため、本書では「成長と老化」という章を設け、胎児から老人までのそれぞれのライフステージの生理機能の特徴を記載した。これにより、看護専門分野の母性看護学、小児看護学、成人看護学、老年看護学との関連性が理解できるはずである。また、看護と生理学との関係を意識させるために、臨床で必要な知識・技術に関する知見をコラムに追加した。
目次正誤表追加情報
第1章 生理学の基礎
1 細胞とその環境
 1.1 生命の基本単位
 1.2 生体の機能的構成
2 恒常性の維持と調節機構
 2.1 恒常性の維持
 2.2 調節機構
3 細胞の機能的構造
 3.1 細胞膜
 3.2 細胞内小器官
 3.3 核
4 核酸と遺伝子
 4.1 核酸の種類と構造
 4.2 DNAと遺伝子
 4.3 遺伝情報の複製
 4.4 タンパク質合成
 4.5 ヌクレオチドの代謝
 4.6 遺伝的異常
5 幹細胞と再生医療
 5.1 幹細胞とは
 5.2 ES細胞
 5.3 iPS細胞
 5.4 iPS細胞の臨床応用
問 題

第2章 神経系の基本的機能
1 神経細胞
 1.1 神経細胞の構造
 1.2 神経接続の基本的構成
 1.3 神経細胞のイオン組成と細胞膜の構造
 1.4 神経の静止電位
2 神経信号の発生
 2.1 活動電位の発生
 2.2 閾膜電位と全か無かの法則
 2.3 相対不応期と絶対不応期
3 神経信号の伝わり
 3.1 有髄神経と無髄神経
 3.2 興奮の伝導(活動電位の伝導)
 3.3 神経伝導速度
4 神経の連絡と神経信号の伝達
 4.1 シナプス伝達
 4.2 興奮性シナプスと抑制性シナプス
 4.3 神経伝達物質
 4.4 シナプスの性質
 4.5 シナプス接続と神経回路
問 題

第3章 神経系の機能
1 概要
2 末梢神経系
 2.1 脳神経
 2.2 脊髄神経
3 自律神経系
 3.1 交感神経系
 3.2 副交感神経系
 3.3 自律神経系の化学伝達物質とその受容体
 3.4 自律神経節後線維の神経終末部
 3.5 自律神経系による内臓支配
 3.6 内臓求心性線維
 3.7 自律機能の反射性調節
4 中枢神経系
 4.1 脊髄の構造と機能
 4.2 脳の構造と機能
5 睡眠と覚醒
 5.1 脳波
 5.2 睡眠・覚醒
6 学習と記憶
 6.1 陳述記憶
 6.2 手続き記憶
 6.3 学習と記憶のメカニズム
 6.4 臨界期
問 題

第4章 感覚の生理 
1 感覚総論  
 1.1 適刺激、様式 
 1.2 刺激の強さと感覚の大きさの関係 
 1.3 受容変換部位
 1.4 色々な条件下での感覚
2 体性感覚・内臓感覚 
 2.1 皮膚感覚
 2.2 深部感覚  
 2.3 内臓感覚 
 2.4 痛覚と痒み   
3 化学感覚(味覚、嗅覚)
 3.1 味の種類と受容体、味の受容器 
 3.2 味覚の伝導路
 3.3 味覚が関与する反射
 3.4 においの種類とその受容器
 3.5 嗅覚の伝導路 
4 視覚
 4.1 眼の構造と役割
 4.2 眼の遠近調節
 4.3 眼に入る光の量の調節
 4.4 網膜
 4.5 視覚の伝導路
5 聴覚、平衡感覚 
 5.1 音とは
 5.2 音が神経の信号に変えられるまで
 5.3 聴覚の伝導路
 5.4 平衡感覚の受容器
 5.5 平衡感覚の伝導路
問 題

第5章 筋肉・運動の生理
1 筋肉の種類と性質
 1.1 筋肉の構造と分類
 1.2 骨格筋・心筋・平滑筋の構造と特性
 1.3 骨格筋・心筋・平滑筋の機能的特性
2 骨格筋の生理機能
 2.1 骨格筋に分布する神経と血管                      
 2.2 羽状筋と平行筋
 2.3 筋収縮タンパクの微細構造
 2.4 運動神経と神経筋接合部と運動単位
 2.5 筋収縮の仕組みとATPエネルギー
 2.6 ATPの合成機構
 2.7 骨格筋の機械的特性
 2.8 筋線維の分類:TypeI細胞とTypeⅡ細胞
 2.9 筋肉の委縮と肥大
 2.10 筋血流量の調節
問 題

第6章 運動の制御機構 
1 運動の実行
 1.1 運動単位
 1.2 筋張力の制御
2 運動の制御指令
 2.1 基本的な運動のプログラム
 2.2 上位運動中枢と運動指令の伝導路
 2.3 大脳皮質運動野
 2.4 大脳基底核
3 運動の調節
 3.1 小脳による運動調節
問 題

第7章 血液の生理
1 血液の構成
2 有形血液成分
 2.1 造血
 2.2 赤血球
 2.3 白血球
 2.4 血小板
 2.5 白血病
3 液体血液成分
 3.1 血漿タンパク質
 3.2 血液凝固因子
 3.3 免疫物質
 3.4 脂質
 3.5 糖質
 3.6 ミネラル
問 題

第8章 生体防御
1 リンパ組織
2 自然免疫
 2.1 食細胞による貪食
 2.2 補体
 2.3 好酸球と抗塩基球
 2.4 ナチュラルキラー細胞(NK 細胞)
 2.5 樹状細胞と抗原提示
 2.6 サイトカイン
 2.7 トル様受容体
3 適応免疫
 3.1 Tリンパ球
 3.2 Bリンパ球と抗体産生
 3.3 抗体の役割
 3.4 免疫記憶と予防接種
4 炎症
5 免疫の異常
 5.1 アレルギー
 5.2 自己免疫疾患
問 題

第9章 循環の生理
1 循環系の概要
2 心臓
 2.1 心臓の機能的構造
 2.2 心筋細胞の興奮と伝導
3 心電図
 3.1心電図の記録法
 3.2 心電図の見かたと異常心電図
4 心臓のポンプ作用と心周期
 4.1 心周期
 4.2 心音
5 心拍出量
6 血管系
 6.1 動脈
 6.2 毛細血管系
 6.3 静脈系
7 心臓・血管の調節機構
 7.1 心臓機能の調節
 7.2 血管運動の調節
8 特殊領域の循環
 8.1 肺循環
 8.2 冠状循環
 8.3 胎児の血液循環
 8.4 脳循環
9 リンパ管系
問 題

第10章 呼 吸
1 呼吸器
 1.1 気道
 1.2 肺
2 呼吸運動
 2.1 胸郭運動
 2.2 呼吸筋
3 肺機能
 3.1 肺気量
 3.2 気道抵抗と換気障害
 3.3 肺コンプライアンス
4 体内のガス交換
 4.1 肺のガス交換
 4.2 血液によるO2運搬
 4.3 血液によるCO2の運搬
5 末梢の受容器・反射
 5.1 末梢性化学受容器
 5.2 肺の機械容器
6 呼吸の神経性調節
 6.1 呼吸の運動制御について
 6.2 呼吸中枢
 6.3 中枢性化学受容
 6.4 安静時の換気量の調節機構
7 呼吸の随意性調節
 7.1 呼吸の随意性調節
 7.2 発声-呼吸連関
8 特殊呼吸、環境と呼吸
 8.1 異常呼吸の種類
 8.2 特殊環境の呼吸への影響
 8.3 運動と呼吸
問 題

第11章 消化・吸収
1 消化・吸収の概要
 1.1 消化器系の構造
 1.2 消化管運動の役割と様式
 1.3 自律神経系の働き
 1.4 三大栄養素の消化
2 口腔での消化
 2.1 そしゃく(咀嚼)
 2.2 唾液
 2.3 嚥下
3 胃での消化
 3.1 胃の運動
 3.2 胃液
4 小腸での消化と吸収
 4.1 小腸の運動
 4.2 膵液
 4.3 胆汁
 4.4 小腸での消化・吸収
 4.5 消化管ホルモンによる消化の調節
5 大腸
6 排便
問 題
 
第12章 栄養・代謝
1 概要
 1.1 栄養と栄養素
 1.2 代謝とは
2 エネルギー代謝
 2.1 エネルギー量とカロリー
 2.2 呼吸商(呼吸比)
 2.3 基礎代謝
 2.4 食事誘発性熱産生
 2.5 身体活動とエネルギー消費
3 栄養素の代謝
 3.1 糖質代謝
 3.2 タンパク質代謝
 3.3 脂質代謝
 3.4 絶食時の代謝
4 血糖の維持と糖尿病
 4.1 血糖の維持
 4.2 糖尿病
5 ビタミン
 5.1 脂溶性ビタミン
 5.2 水溶性ビタミン
6 ミネラル
 6.1 ナトリウム (Na)
 6.2 カリウム (K))
 6.3 カルシウム (Ca)
 6.4 鉄 (Fe)
問 題
 
第13章 腎臓の生理 
1 腎臓の機能的構造
 1.1 ネフロン
 1.2 腎循環系の特徴
2 尿の生成とその機序
 2.1 糸球体濾過
 2.2 再吸収される物質
 2.3 分泌される物質
 2.4 水素イオンの分泌と体液[H+]調節
 2.5 クリアランス
3 排尿
 3.1 尿管
 3.2 膀胱
 3.3 排尿反射
問 題

第14章 体液の恒常性
1 体液の浸透圧濃度
 1.1 溶液の濃度
 1.2 体液の浸透圧濃度
2 体液量と体液の組成
 2.1 体液量とその区分
 2.2 体液の組成
3 体液浸透圧の調節機構
 3.1 調節の概要
 3.2 血漿量の調節
 3.3 血漿Na+量の調節
4 体液[H+]とpH
 4.1 水素イオン濃度とpH
 4.2 酸と塩基
 4.3 緩衝作用
 4.4 血液の緩衝系
5 血液[H+]の調節機構
6 アシドーシスとアルカロ-シス
 6.1 呼吸性アシドーシスと呼吸性アルカローシス
 6.2 代謝性アシドーシスと代謝性アルカローシス
7 代償作用
問 題
  
第15章 内分泌
1 ホルモン
 1.1 ホルモンの種類と受容体
 1.2 ホルモン分泌の調節
 1.3 視床下部ホルモンと下垂体
 1.4 副腎髄質ホルモン
 1.5 甲状腺刺激ホルモンと甲状腺ホルモン
 1.6 膵臓と糖代謝
2 骨とカルシウム代謝
 2.1 骨とカルシウム
 2.2 カルシウム代謝
3 生殖とホルモン
 3.1 精子形成
 3.2 卵子の形成と排卵
 3.3 妊娠と分娩
問 題/441

第16章 体温の調節 
1 体温とは
 1.1 核心温と外層温
 1.2 検温
 1.3 核心温の限界
2 体温のリズム
 2.1 概日リズム  
 2.2 概月リズム
3 熱の移動
 3.1 非蒸散性熱損失
 3.2 蒸散性熱損失
4 体温調節反応
 4.1 自律性体温調節反応
 4.2 行動性体温調節反応
5 自律性体温調節のメカニズム
 5.1 体温調節の2つの制御様式
 5.2 体温調節中枢からの指令伝達メカニズム
6 発熱
 6.1 発熱とうつ熱
 6.2 発熱の生理的意義
 6.3 発熱のメカニズム
問 題

第17章 成長と老化
1 ヒトのライフコース
2 受精から着床まで(=母体の妊娠成立まで)
 2.1 先体反応から受精まで
 2.2 受精から着床まで
 2.3 妊娠の成立
3 胎芽期と胎児期=母体の妊娠期
 3.1 胎児付属物
 3.2 胎芽期
 3.3 胎児期
 3.4 妊娠中の母体変化
4 分娩
 4.1 分娩と出生
 4.2 分娩後の母体の変化
5 個体の成長
 5.1 身長・体重の経時的変化
 5.2 各器官系の成長パターン
 5.3 器官系の発達と成長
6 個体の加齢・老化に伴う変化
 6.1 細胞レベルの老化
 6.2 組織レベルの老化
 6.3 器官系レベルの老化
7 個体レベルの老化
8 死
 8.1 死の受容
 8.2 臨死期の生体の変化
 8.3 死を含む状態
 8.4 死後の生体の変化
9 健康フロンティアとホメオスタシス
問 題
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